街場の教育論



街場の教育論
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大学院での講義録がもとになっています

まえがきで、大学院の授業の講義録がもとになっていると知り、ちょっと嫌な予感がしたのですが、それは半分当たっていました。
著者の基本的活動領域は「大学」なので、「大学教育」に関わる内容が多くを占めてしまうのではないか、という危惧は当たりです。
著者の素直で正直なところは、教育論を語る上での自戒の言葉・・・「私たちはこと教育に関しては、自説の誤りの責任を取るリスクを取らずに、言いたい放題に言うことができる。」・・・を冒頭で掲げているところです。
また、責任を「だれか」に押しつけるのではなく、「国民全体」が負うべきもの、と明確な正論をとっています。
好感はもてるのですが、やはり「教育論」は「教育論」でした。
読者としてお薦めできるのは、大学生です。

 第1講 教育論の落とし穴
 第2講 教育はビジネスではない
 第3講 キャンパスとメンター
 第4講 「学位工場」とアクレデイテーション
 第5講 コミュニケーションの教育
 第6講 葛藤させる人
 第7講 踊れ、踊り続けよ
 第8講 「いじめ」の構造
 第9講 反キャリア教育論
 第10講 国語教育はどうあるべきか
 第11講 宗教教育は可能か
斬新なのか、本来なのか、躍動感ある11講

本書では、初等から高等教育まで、これまでの主流な教育論とは異質なものを軸とし、現在の教育の課題やその伏流を俯瞰し、反省もし、提言も行っている。教育制度は、惰性の強い制度であり、連続性を立ち切ることはあり得ないこと、教育論は著者の論も含め、過激になる傾向であること、教育改革の主体は現場の先生方であることを前提に、論を展開する。「昨年に比べ今年は、教育についての議論が活発ではなくなったので、祭りのあとの間が抜けた物売りの様である」とは本人の弁であるが、気がついたら、どんどんと通行人を引き止め、ぐいぐいと引き込ませてしまう迫力である。キャンパスでは、いかに知性が起動し始めるか、全国の大学で強いられる「評価」に携わった経験からの含蓄のあるメッセージ、子どもたちにとってよい教員の姿は多彩で画一ではないこと、現在の子どもたちの奇妙な共通性、子どもたちは葛藤することで成熟すること、最後には「宗教教育は可能か」という問いにもチャレンジしている、ダイナミックな11講である。現場の先生方、教育改革に携わる方に限らず、大学生までを含めた子どもたちと関わるすべての方が一読されますように



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